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健康処方箋 column

輔仁薬局健康処方せん夏の暑さとくすりの管理

夏の暑さとくすりの管理

author:輔仁薬局明野店 薬剤師 藤本 侑香里
published in:大分合同新聞令和7年8月掲載  No.172

夏の猛暑が続く8月、薬の保管方法を見直したことはありますか?今回は薬の正しい管理のコツと、暑さが薬の効果に与える影響をお伝えします。

多くの医薬品は室温(1~30度)保存とされています。そのために直射日光の当たらない温度変化の少ない場所に保管しましょう。冷所保存の指示がある薬は冷蔵庫に保管しましょう。ただし、糖尿病で使用するインスリン注射等は、冷気の吹き出し口に近すぎると凍結してしまう場合があります。その場合は使用できなくなるので気を付けましょう。またインスリン注射は、使用開始後では室温保存のものが多いので注意が必要です。そして錠剤は結露で劣化する可能性があるため、薬をもらう時に薬剤師に確認をしましょう。高温多湿は薬の品質を下げる天敵です。例えば、錠剤やカプセルは湿気を吸うと溶けたり変形したりします。シロップや目薬等は高温で成分が変質する恐れがあります。特に気温が40度近くになる車内に薬を放置するのは危険です。数時間で効果が落ちたり、安全性が損なわれたりするケースがあります。具体的にはインスリン注射を車内に置き忘れてしまった場合です。使用できなくなるため、受診をして処方しなおしてもらうことになります。

旅行時の管理も忘れずにお願いします。夏休みの帰省や旅行では、保冷バッグや小型クーラーボックスを活用し、薬を高温から守りましょう。飛行機では機内持ち込みの方が温度管理できるので安心です。もし薬の色、形、匂いに異変を感じたらすぐに薬剤師に相談をお願いします。変質した薬は効果が落ちるだけではなく健康を害するリスクもあります。

薬は正しく保管してこそ、期待通りの効果を発揮します。猛暑の今、薬の管理を見直し、健康を守る一歩を踏み出しましょう。

それではお大事に。

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