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健康処方箋 column

輔仁薬局健康処方せん大豆イソフラボンと手指の疾患

大豆イソフラボンと手指の疾患

author:輔仁薬局明野店 薬剤師 藤本 侑香里
published in:大分合同新聞令和4年4月掲載  No.152

女性で手指のしびれ、こわばり、痛み等を感じることはありませんか?指の曲げ伸ばしがカクカクする「ばね指」・指の第一関節が赤くはれて痛い「へバーデン結節」・第二関節が痛くて関節が太くなる「ブシャール結節」・親指から薬指のしびれや痛みがある「手根管症候群」などがあり、40歳代以降の女性に多く発生します。

女性は更年期になるにつれて、女性ホルモンであるエストロゲンが減っていきます。そうすると手の腱のまわりを包んでいる部分や関節の内側を覆う膜に影響を及ぼし、手指の疾患の原因になっていると言われます。

これらの予防や軽減に注目されているのが、エストロゲン様作用を持つ成分のエクオールです。エクオールは大豆に含まれている大豆イソフラボンが腸内細菌によって変換されたものです。大豆イソフラボンは、植物エストロゲンのひとつと言われ、その化学構造が女性ホルモンのエストロゲンに似ているため、エストロゲン受容体に結合することから、促進的あるいは競合的に種々の生体作用を発揮するとされております。

大豆イソフラボンからエクオールに変換する酵素には個人差があります。最近では大豆製品だけではなくサプリメントを利用することでエクオールの摂取も手軽にすることが可能です。平成14年国民栄養調査(厚生労働省)によると、日本人の大豆イソフラボンの摂取量は大豆食品等の摂取量からの試算によると、中央値は閉経前女性では16㎎、閉経後女性においては22㎎、男性では18㎎です。これは、1日のエクオール摂取量目安に変換するための大豆イソフラボン量に対して不足していると言われています。日頃の食事では十分に摂取出来ない分をサプリメントの力を借りて摂取するのも一つの手段です。

しかし、身体にいいからと言って、サプリメントでも用法用量を逸脱して摂取してしまうと健康被害を招くこともあります。処方薬やOTC医薬品やサプリメントは用法用量を守り適切に使うように心がけましょう。

それではお大事に。

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