輔仁薬局

健康処方箋 column

難 聴

author:輔仁薬局 賀来北店 薬剤師 堀 智人
published in:大分合同新聞令和3年2月掲載  No.145

 急に耳が聞こえにくくなった、詰まった感じがする等の難聴の症状はありませんか。一般的に、人は年齢とともに高音から聞こえにくくなっていきます。しかし難聴の要因は、加齢だけではありません。では、簡単に難聴について書きたいと思います。

 難聴は、「伝音難聴」と「感音難聴」、そしてこの2つが合併した「混合性難聴」の3つに分類されます。
①伝音難聴
 耳垢の詰まりや感染症等により、耳の穴から鼓膜の奥までの部分が障害されて起こる難聴です。軽症ならば耳垢や膿を取り除けば改善します。感染症で炎症や痛みが強い場合には、抗菌剤や痛み止め等で治療します。
②感音難聴
 加齢、騒音、疲労やストレス等により、鼓膜の奥以降の部分が障害されて起こる難聴です。今は外出自粛によるストレスの増加やリモートワークによるヘッドフォンの長時間の使用等により難聴になりやすい環境になっていると思います。感音難聴で有名なのがストレスや疲労、睡眠不足などが原因で起こる突発性難聴です。名前の通り突発的に聞こえが悪くなり、耳鳴りや眩暈も伴うことがあります。長期に放置すると聴力が元に戻らない場合があるので、早期にステロイド剤等の薬物治療を行います。最初に書いた加齢による難聴は補聴器で聞こえを補うことができます。

 難聴は、注意力の低下、聞き取りの不調、コミュニケーションの不具合、精神の不安定等、日常生活に支障をきたします。また認知症発症のリスクが高まるともいわれています。コロナ禍で受診を控えている方もいると思いますが、症状が出たら早期に耳鼻科を受診しましょう。耳鼻科では難聴による生活への影響を減らすために、治療を受けるだけでなく補聴器の相談等もできます。また使用している医薬品が原因の場合もあるので、気になることがあれば、かかりつけ医や薬剤師に相談しましょう。
それではお大事に。

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