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健康処方箋 column

輔仁薬局健康処方せん「耳かき」しすぎていませんか?

「耳かき」しすぎていませんか?

author:輔仁薬局 日赤前店 薬剤師 田中 健一
published in:大分合同新聞令和1年6月掲載  No.135

 気持ちよくてついつい耳かきをしてしまうという方は多いのではないでしょうか?リビングでのんびりしている時、お風呂から上がった後、また毎日耳かきをするという方もいらっしゃると思います。しかし、耳かきをしすぎると、外耳炎(外耳道炎)になることがあります。耳かきをすることで外耳道(入口から鼓膜までの穴)に傷が入ったり、綿棒などで耳垢や汚れが奥に押し込まれたりすると、菌が入り炎症を起こしてしまうことがあります。これが外耳炎の主な原因になります。またプールや風呂などで入った水が長時間残ることで発症することもあります。外耳炎が重症になると聞こえが悪くなったりする方もいます。ではどのような事に気をつければいいでしょうか?

 耳かきは、たまに軽く掃除するくらいが良いと考えられます。強く擦ったり、無理に奥の耳垢を取ったりしようとすると傷をつけてしまう原因になります。またヘアスプレー、毛髪用染料などの刺激物質も耳に入ることがあるため注意が必要です。あまり綿棒等を奥の方まで入れず優しく掃除してあげてください。耳垢が取れない時や奥に入ってしまった場合には、無理をせずに耳鼻咽喉科を受診するのが良いと思います。また、爪で掃除をすると傷をつけることに加えて菌が入り込む原因になるので避けてください。

 耳だれや赤み、痛み、痒みなどの症状が出てしまった場合は、すぐに耳鼻咽喉科を受診しましょう。治療は耳垢の除去に加え抗菌剤の内服薬や点耳薬、ステロイドの塗り薬などです。症状や菌の種類によって治療が異なることもあります。医師・薬剤師の指導に従って医薬品は使用してください。外耳炎は特に夏場の発症が多いと言われています。これからの時期は、特に注意しましょう。

それではお大事に。  

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