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輔仁薬局健康処方せん早めのインフルエンザ対策を

早めのインフルエンザ対策を

author:輔仁薬局日赤前店 薬剤師 田中 健一
published in:大分合同新聞平成30年10月掲載  No.131

 今年は大分県内で夏に感染が確認されるなど、早い時期からインフルエンザという単語を聞かれた方もいらっしゃると思います。これから本格的な流行に入る前にインフルエンザ対策について確認しておきましょう。

 まずは予防接種です。特に感染リスクが高いとされる高齢・小児のみなさんは是非とも接種しておいてください。万が一感染した場合でも症状を和らげる効果があると言われています。インフルエンザワクチンの効果は通常、接種からおよそ2週間前後で現れ5ヶ月程度持続するとされています。そのため流行時期を踏まえて12月上旬までには接種することが推奨されています。医療機関によって予約の可否や受付方法、料金などに違いがありますので早めに問い合わせておきましょう。また当日に発熱などにより体調がすぐれないと接種できないこともあります、前日はしっかり睡眠を取り体調を整えておいてください。

 ワクチンのみでなく普段からできる予防もあります。一般的にインフルエンザウイルスは低温・乾燥の条件で活発化するため、室温を上げ50~60%の湿度に保つと良いとされます。またマスクの着用、帰宅後のうがい、こまめな手洗いなどちょっとした心がけも重要です。特に人の多い所へ出かける時には気をつけてください。免疫力を高めるために栄養の摂取と十分な睡眠、また腸内環境を整えることも効果的と言われています。食欲の秋というようにこの時期は美味しい物もたくさんあります。バランス良く色んな食べ物を摂るのもいいかもしれません。

 もちろんこうした予防で感染を100%防げるわけではありません。感染・発症した場合はインフルエンザの治療薬を使用することもあると思います。今年は、既存の内服薬(1日2回5日間)や吸入薬そして注射薬に加え、1回の内服で治療が終了する薬剤も発売されており、治療の選択肢も増えました。インフルエンザ治療薬はなるべく早く、48時間以内に使用することが推奨されますので、発熱など疑わしい症状が出た場合には無理せず受診するようにしましょう。

これからの肌寒い時期に早めに備えることで楽しく冬を越せるといいですね。
それでは、お大事に。

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