アトピー性皮膚炎とは、強いかゆみを伴う湿疹がよくなったり悪くなったりを繰り返す慢性の炎症性皮膚疾患です。多くは乳児期に発症し、半数は成長とともに寛解(病気の症状が、一時的あるいは継続的に軽減した状態)していきますが、寛解しにくい傾向がみられることもあります。悪化しやすいのは乾燥しやすい冬と、汗をかきやすい夏の時期です。アトピー性皮膚炎の原因となるのが、乳児期では食物で、乳児期以降ではダニやハウスダストと言われています。
薬を使った治療は、保湿剤によるスキンケア、かゆみに対して抗アレルギー薬を服用する等があります。また、かゆみや湿疹が特に強い部位についてはステロイド外用薬がよく使われます。ステロイドとは体の中にある副腎から作られる副腎皮質ホルモンの1つで、体の中の炎症や免疫反応を抑え、免疫のバランスを調整するなどの作用があります。
ステロイド外用薬の塗る量についてですが、1FTUという単位が目安になります。1FTUは、大人の第一関節の長さをチューブ(5mm口径)から出した量で、手のひら2枚分を塗るのに必要な量です。但しステロイド外用剤の場合は、この半分(手のひら2枚分に0.5FTU)でも効果があるという報告もあります。また医療機関でもらうステロイド外用薬は強さが5段階に分かれており、塗る場所によって、皮膚の厚さが大きく異なるため、同じ薬を塗っても吸収される量が変わります。そのため、薬を塗る場所によって、ステロイド外用薬は厳密に使い分ける必要があります。医師・薬剤師の指示に従って使用してください。塗り方ですが、手をきれいに洗って清潔にしてから、かゆみや炎症がある部位にだけやさしく塗り広げてください。手のひらや、足の裏などといった皮膚が厚い部位ではお風呂上がりの皮膚が柔らかくなっているときに塗ると効果的です。
ステロイド外用薬は必要な量を、必要な期間使い続けることが症状改善につながります。
わからないことがあれば、医師または薬剤師に相談をしてください。
それではお大事に。