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健康処方箋 column

輔仁薬局健康処方せん乾燥肌について

乾燥肌について

author:まごころ調剤薬局森町店 薬剤師 白江 真
published in:大分合同新聞平成29年10月掲載  No.125

今回はこれから寒くなると増えてくる乾燥肌についてお話をします。

寒さは血行を悪くするので皮膚にとって必要な水分・油分を皮膚まで運ぶことが十分にできなくなり、また空気の乾燥によって皮膚の水分が蒸発することで、肌が乾燥し皮膚のバリア機能が壊されます。寒さとは真逆になりますが、暖房も空気を乾燥させるので湿度管理に注意が必要です。寒さだけではなく、ストレス・偏食・睡眠不足などの生活習慣の乱れや加齢も肌の乾燥の原因となります。乾燥肌は次のような皮膚のトラブルを引き起こします。

〇乾燥性敏感肌・ひび割れ・あかぎれ:

乾燥によってバリア機能が低下すると外部からの刺激に対する抵抗力が低下し、皮膚炎を起こしやすくなります。皮膚炎による痒みで掻くことで、さらに皮膚のバリアは壊されます。水分を保持しきれなくなると、少しの刺激でもパックリと割れるようになりひび・あかぎれになりますが、乾燥の影響で皮膚の再生機能も低下するのでこのような状態が悪化していきます。

〇ニキビ:

バリア機能が低下した皮膚では、細菌が繁殖しやすくなります。その細菌がニキビや赤みを引き起こし、また乾燥自体が炎症の治りを悪くします。特に大人ニキビにおいては、肌の乾燥が関わることが多いとされています。

乾燥肌対策の1つとして気を付けたいのはお風呂です。痒みがあるとついつい擦ってしまったり、清潔にしようとゴシゴシ洗ったりする方がいます。このような入浴では皮膚のバリアはますます壊されてしまいます。洗う時はタオルで直接洗うよりも泡立てた泡で洗う意識が良く、洗う際には洗浄力の強いボディソープよりも低刺激の石鹸が良いとされています。またナイロンタオルやアカスリタオルは皮膚のバリアを壊すので、肌の乾燥や皮膚炎のある方は避けてください。

入浴や生活習慣に気を付けても肌が乾燥し上記のような肌トラブルが起きてしまったら、皮膚科を受診しましょう。乾燥肌には水分を閉じ込め皮膚を保護する薬や、血行を促進することで保湿を促す薬などを用いて治療します。

それではお大事に。

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