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輔仁薬局健康処方せんおすすめ旬野菜『ブロッコリー』

おすすめ旬野菜『ブロッコリー』

author:輔仁グループ本部 管理栄養士 矢野 恵美
published in:大分合同新聞平成28年12月掲載  No.120

今月は、旬が11月から3月頃とまさに今が一番おいしい野菜、ブロッコリーをご紹介します。煮てよし、炒めてよし、蒸してよしと幅広く使え、どんな食べ物とも相性がいいブロッコリーは、各種ビタミンやミネラルもバランスよく豊富に含むオールマイティーな野菜といえます。

特にビタミンC、ビタミンE、食物繊維は野菜の中でもトップクラスに位置しており、100g中の食物繊維は同じアブラナ科であるキャベツの2.5倍、ビタミンCは約3倍、ビタミンEにおいては約20倍も含まれています。ビタミンCはコラーゲンの生成にかかわり、血管や骨、皮膚の健康の維持や、風邪・ウィルスに対する抵抗力を高めてくれます。ビタミンEは、老化現象や病気の原因とされている過酸化脂質の酸化を防ぐことにより、動脈硬化を予防する効果があります。また、末梢血管を広げることで血行を良くする働きにより、冷え性の改善も期待できます。

アブラナ科の野菜で特に注目されているのが、ブロッコリーに含まれる“スルフォラファン”という成分です。このスルフォラファンは優れた抗酸化作用と解毒作用をもっていることが最近の研究でわかってきました。その高い解毒作用により、胃炎や胃がんを引き起こすとされているピロリ菌を減らす可能性があるとの報告もあります。国立がん研究所が作成した「がん予防が期待できる食べ物」にも上位にランクされています。スルフォラファンはその他にも、花粉症を抑制する効果や内臓脂肪の蓄積を予防してくれるなどの効果が期待されており、現在様々な分野で研究が行われています。

スルフォラファンは熱には強いのですが、水に溶けやすい性質があります。調理する際はよく洗い、少し濡れた状態で600Wの電子レンジに2分ほどかけることで、損失を少なくすることができます。また、これからの季節はカレーやシチューに入れると手軽に食べることができます。その際は小さめに切って軽く水洗いし、出来上がり2~3分前に入れて煮るとビタミンCの損失も抑えることができますよ。

それではお大事に。

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