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健康処方箋 column

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ジェネリック医薬品

author:こがづる調剤薬局 薬剤師 大津 智亮
published in:大分合同新聞平成24年6月掲載  No.93

最近、ますますジェネリック医薬品という言葉を目にする機会が増えてきました。テレビでは国内外のジェネリック医薬品会社がCMを流し、協会けんぽなどからは後発医薬品差額通知などが送付されるようになりました。そこで、今回はジェネリック医薬品に関するお話をします。

ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、最初に開発された新薬(先発医薬品)の特許が切れた後に販売される薬のことです。一般的に開発費が少なく抑えられることから、新薬に比べて薬価(薬の公定価格)が安くなっています。

ここで、特許が切れるということについて簡単に説明します。薬の特許には主なものに(1)物質特許(2)製法特許(3)用途特許(4)製剤特許などがあり、ジェネリック医薬品は物質特許が切れた時点で、その他の特許に抵触しなければ製造し、販売することが可能となります。そのため、新薬と治療学的に同等であると承認されていても、新薬と製造方法や添加物が異なる場合があります。添加物が異なるといっても使用経験のある物質が選択されているため安全面での配慮はされており、さらに、添加物などを変えることで飲みやすさ、使いやすさなどに工夫を施しているジェネリック医薬品もあります。そのため、ジェネリック医薬品に変更することで薬の外観や飲みこんだときの感覚などが変わる場合があります。

日本でジェネリック医薬品の普及が急速に進んだ背景としては、患者負担の軽減、医療保険財政の改善があり、厚生労働省もジェネリック医薬品の数量シェアを30%以上にするという目標を掲げています。そういった世の流れを受けて、協会けんぽなどでは被保険者に対して後発医薬品差額通知を送付し、飲んでいる薬のなかでジェネリック医薬品に変更できるものがあれば、変更により自己負担額がどれだけ軽減するかをお知らせするようになったようです。

ただし、ジェネリック医薬品は1つの新薬に対して複数の会社から販売されていることがあり、会社により薬価が異なることもあります。また、自己負担額は薬価だけではなく、さらに負担割合に応じても変わってきますので、ジェネリック医薬品に変更することでどれだけ安くなるかを知りたいときは薬局にてお尋ねください。ジェネリック医薬品に関してや、お薬について何か聞きたいことがあれば、お気軽に薬剤師までご相談ください。

それでは、お大事に。

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