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輔仁薬局健康処方せん口の中ですぐに溶ける錠剤

口の中ですぐに溶ける錠剤

author:輔仁薬局 日赤前店 薬剤師 後藤 順子
published in:大分合同新聞平成23年4月掲載  No.86

近頃、口の中でラムネ菓子のようにすぐに溶けて、水なしで飲める「口腔内崩壊錠」といわれる錠剤が増えてきました。薬品名の最後に「-OD」がついているものなどがこれにあたりますが、現在、一般用医薬品を含めて100種類以上の製品が発売されています。

通常、錠剤やカプセル、散剤などはコップ1杯程度の水や白湯で飲み込み、胃の中で崩壊します。「口腔内崩壊錠」は唾液や少量の水で、口の中で速やかに崩壊するのが特徴で、嚥下(えんげ)能力(食べ物や薬を飲み込む力)が低下した方に服薬しやすい剤形です。

《口腔内崩壊錠のメリット》

①高齢者や障害でものが飲みこみにくくなっている人は、これまでは飲み込めるように錠剤を粉砕         したり、カプセルから中身を出したりしていましたが、薬によっては本来の薬の体内での吸収が違ってきますし、苦味が出てしまうこともありました。水を飲まずにすめば、むせずに楽に薬を服用することができます。②人工透析を受けている、むくみが出ているなどで水分量を制限されている人は余分な水分を摂らずにすみます。③外出先で水が手元になくても、いつでもどこでも服用できます。

《口腔内崩壊錠のデメリット》

①普通の錠剤に比べると壊れやすく、シートから取り出すときに割れやすくなります。②包装から取り出すと湿気を吸いやすくなるため、一回分をまとめる一包化には不向きなものがあります。③甘みがあるので、味を好まない人もいるでしょう。

この口腔内崩壊錠は、飲水の有無で治療効果が変わることはないので、今まで通り水で飲んでもさしつかえありません。ただ、すぐに溶けるからといって薬に即効性があるわけではなく、作用までの時間は普通の錠剤と変わりません。錠剤から「-OD」錠に変わっても、今まで飲んでいる薬と同じ名前なら同じ効果が得られますので安心して続けてください。

薬にはさまざまな剤形があります。生活スタイルや好み、環境などを考慮し、医師や薬剤師と相談しながら自分にあった薬を選んでください。

それでは、お大事に。

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