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健康処方箋 column

輔仁薬局健康処方せん薬の服用時間

薬の服用時間

author:輔仁薬局 日赤前店 薬剤師 後藤 順子
published in:大分合同新聞平成21年10月掲載  No.72

薬の服用時間は、「食前」「食後」のように多くは食事と関連づけて決められます。

これは、薬の飲み忘れを防ぐこと、起きている時間を食事がおよそ3等分し、薬の効果を持続するのに都合がよいことなどが主な理由です。しかし、薬の中には、食事によって効果が変わったり、副作用が強くなるなど服用方法にも注意が必要なものがあります。そこで、今回は薬の服用時間と食事との関係についてお話しします。

「食後」は、食事のおよそ30分後です。食後の胃の状態は消化活動が盛んで、薬の吸収も良くなります。さらに、胃に薬が直接の接触をあまりしないので、胃粘膜を荒らしにくいという利点があります。

食物と混ざり合った方が吸収が格段に良くなる薬があり、こういった薬は「食直後」という指示で、「食後」とは区別されています。食後以外の服用時間指示の場合には、薬の効き目を増すために決められていることが多いので、必ず指示された通りに飲みましょう。

「食間」は食事のおよそ2時間後です。胃の粘膜に直接働きかける胃薬や食事のために吸収が悪くなる薬は、胃内の食物がなくなった頃に服用します。一方、痛み止めなどで空腹時に飲むと胃腸障害を起こす場合があるので注意してください。また、ビスフォスフォネート系の骨粗しょう症の薬は、食事の影響をとても受けやすいため、必ず空腹時に飲むなど服用方法を良く確認しましょう。

「食前」は食事のおよそ30分前です。吐き気止めなどの胃の働きを良くする薬は、食前に飲むことで、食事をする時間までに気分不良が軽減されます。また、糖尿病の薬では、食事によって上昇する血糖値を下げるために、食前に飲むことがあります。効果が出るのが非常に速く、食事の直前に飲む薬もありますが、これは「食直前」といいます。

このほか、時間を決めて飲む薬や寝る前に飲む薬などもあります。服用時間は、薬の性質や目的により違いますので、効果がきちんと発揮できるよう、用法用量をしっかり守りましょう。また、食事を抜かしたり、時間が不規則などで困っている方は、是非ご相談ください。

それでは、お大事に。

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