輔仁薬局

健康処方箋 column

輔仁薬局健康処方せん体温の測り方

体温の測り方

author:こがづる調剤薬局 薬剤師 堤 喜代明
published in:大分合同新聞平成19年3月掲載  No.41

発熱は体の異常のサインのひとつです。そのサインを正確に知るためには、正確に体温を測ることや自分の平熱を知っておくことがとても重要です。

体温は、一般にわきの下、口の中、直腸や耳の鼓膜で測りますが、それぞれで温度が少し違います。わきの下の体温は、直腸より0.8~0.9℃低く、口中や鼓膜より0.3~0.5℃低いといわれています。体温を測るときの状態も重要です。飲食や入浴、運動などの後や外出後の30分間位は、体温が変動していて検温には適しません。また、一日の中でも、起床前早朝が最低で、午後から高くなるといわれています。このような理由から、体温はいつも同じ方法や状態で測ることが望ましいのです。

わきの下で測るときは、測る前にわきの汗を、乾いたタオルなどで拭いておきます。濡れたもので拭くと、その水分が蒸発するときに熱を奪い、実際より低くなってしまいます。体温計をわきの奥に当て、わきをしっかり閉じます。このとき、力を入れ過ぎると、筋肉が熱を持つので、力は体温計が落ちない程度にしましょう。

口の中で測るときは、舌の裏の中央にあるスジの両側のくぼみに体温計をあて、舌で軽く閉じます。測定中は口を閉じておく方が正確な体温が得られます。

耳で測るタイプの体温計では、赤外線センサーで耳の奥の鼓膜温を測ります。数秒で測定できるので、乳幼児に便利です。ただし、中耳炎や耳だれがある場合や耳垢が多い場合は測定できません。誤差が出ないようきちんと鼓膜に向けて測定するようにして下さい。

現在よく使われている電子体温計の多くは、『予測式+実測式』です。内蔵された様々な体温測定データを元に数十秒で実際の体温を予測する仕組みになっています。測るたびに、体温が大きくズレるときは、実測値を測りましょう。水銀体温計と同じように、約10分間測り続けると実測値が出ます。

健康なときに平熱を測って記録しておき、体の異常を感じたときに比較できるよう準備しておきましょう。

それではお大事に。

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