輔仁薬局

健康処方箋 column

輔仁薬局健康処方せん乾燥肌に注意

乾燥肌に注意

author:こがづる調剤薬局 薬剤師 堤 喜代明
published in:大分合同新聞平成16年11月掲載  No.13

冬には、シモヤケやアカギレなどのいろいろな肌のトラブルが起こりますが、その中で最も多いのは、乾燥肌とそれに伴うかゆみです。この時期に、皮膚が乾燥しやすいのは、汗や皮脂、その他の保湿成分の分泌が低下することと、空気が乾燥しており暖房によって更に乾燥が助長され皮膚から水分が蒸発しやすくなっているためです。

乾燥した肌をほおっておくと、バリア機能が低下します。バリア機能が低下すると、細菌やウイルスその他の刺激物質が侵入しやすくなり、かゆみや皮膚の病気が起こりやすくなります。また、乾燥した状態では表面の神経が伸びてしまっているため、わずかな刺激でもかゆみが起こりやすくなっています。そして、かゆくなるとかきむしり、それで症状が悪化して更にかゆみが増していくという悪循環に陥ってしまいます。

乾燥肌の治療には、まず保湿剤を使います。皮膚の表面に保湿剤の膜を作って、かゆみの原因となる異物の侵入を防ぎ、皮膚からの水分蒸発を防いで乾燥を防止することで、角質層のバリア機能を回復させます。保湿剤の主成分は、ヘパリン類似物質、尿素、ワセリンなどです。かゆみがひどい場合には、抗ヒスタミン薬を併用し、乾燥肌が悪化して湿疹ができている場合には更にステロイド外用薬も使って治療します。

熱いお湯に入ったり長湯をすると、皮膚の脂質がお湯に溶け出してしまい、乾燥しやすくなるので注意しましょう。また、体を洗うときや水を拭き取るときに強くこすると皮膚が傷つくので控えめにしましょう。 入浴剤では、イオウ成分が含まれているものは、角質層を破壊して皮膚を乾燥しやすい状態にするので、乾燥肌の人は使わない方がよいでしょう。

それでは、お大事に。

一覧に戻る