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健康処方箋 column

輔仁薬局健康処方せん帯状疱疹(たいじょうほうしん)

帯状疱疹(たいじょうほうしん)

author:こがづる調剤薬局 薬剤師 堤 喜代明
published in:大分合同新聞平成16年5月掲載  No.7

帯状疱疹は、子供の頃にかかった水ぼうそうのウイルスが、何十年も神経細胞の中で眠っていた後に突然暴れだして起こる病気です。

子供の頃に水ぼうそうになったことがある人はみんな体の中にこのウイルスを持っています。ウイルスは、普段は免疫の力により押さえ込まれていますが、疲れやストレスが貯まり、免疫のバランスが崩れると活動が活発化し、神経を伝わって皮膚の表面に感染し、発疹や痛みを引き起こします。以前は、高齢者の病気と言われていましたが、近年では若い世代でもかかりやすくなっていると言われています。

帯状疱疹の治療のためには、まず仕事などを休み、安静にすることが大切です。(体の免疫機能を十分に働かせるため。)そして、抗ウイルス薬(1週間ほど続けることになります。途中で服用をやめたりしないようにしてください。)や消炎鎮痛薬を中心とする薬物療法をすぐに開始します。重症の場合には、入院して抗ウイルス薬などの点滴治療を行います。

急性期の皮膚症状は、1~3週間程度で治ります。しかし、ウイルスによって神経に損傷が起こった場合、後遺症が残ることがあります。最も多いのは、「帯状疱疹後神経痛」ですが、帯状疱疹のできる場所によって、「顔面神経麻痺」「難聴」「めまい」などが起こることもあります。

後遺症の予防のためには、早めの治療開始が大切です。症状の出やすい胸や腹部や額などの片方だけの皮膚に痛みがあったり、水疱ができている場合はすぐに受診し、きちんと治療を続けましょう。

それでは、お大事に。

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