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健康処方箋 column

輔仁薬局健康処方せん早めの熱中症対策を

早めの熱中症対策を

author:輔仁薬局日赤前店 薬剤師 大津智亮
published in:大分合同新聞平成26年6月掲載  No.105

昨年の夏は全国的に猛暑日が続き、大分県では熱中症の疑いで救急搬送された人は6月~9月で約750人いたそうです。また、日田市では35度以上の日が38日間あり、全国1位の観測日数となりました。今年も5月から30℃以上の真夏日が全国各地で観測され、熱中症対策についてテレビで報道されるようになりました。5月や6月など早い時期から対策する必要があるのは、この時期は私たちの体が暑さになれていないために、急激に暑い日が続くと、汗をかきにくく、体内の熱をうまく外に出せずに熱中症になるためです。そのため、真夏になる前に、ウォーキングなどの軽い運動で汗をかきやすい体づくりをすることが大切になります。

暑い日には運動時だけでなく、日常生活でもこまめな水分補給が大切になってきます。水分補給は、お茶や水あるいはスポーツドリンクでも構いませんが、より効率よく水分補給ができる経口補水液について紹介したいと思います。

経口補水液とは水分とイオンの配合バランスを考慮し、より効率よく体内へ吸収されるように工夫された飲みものになります。軽度の脱水状態、感染性腸炎、発熱時などの病気のときの水分補給や、あるいは、小児・高齢者などが脱水状態になるのを防ぐために日常生活の中で摂取するとよいです。成人では500mL~1000mL/日、乳児では体重1キロあたり30mL/日が推奨の摂取量となります。飲むときは少しずつ口に含んで、一気に飲まないようにしましょう。経口補水液は市販されていますが、自宅で作ることが可能です。水1Lに対して、食塩3gと砂糖40gを溶かすことで出来ます。飲みこむ力が落ちている高齢者などには、市販品のゼリータイプを試してみるとよいでしょう。

熱中症の初期症状はさまざまですが、めまいや立ちくらみ、体のだるさ、吐き気などが出てきます。疑わしい症状が出た場合は、体を冷やして、経口補水液などで水分摂取をしてください。もし、症状が改善しないときはすぐに医療機関を受診しましょう。

それではお大事に。

 

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