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健康処方箋 column

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子どもへの坐薬の使い方

author:こがづる調剤薬局 薬剤師 大津智亮
published in:大分合同新聞平成25年12月掲載  No.102

子どもが体調を崩したときは、病院につれていって診察をうけるだけでも大変なのに、帰ってから薬を飲ませるのもひと苦労だと思います。また、子どもには坐薬が処方されることも多いので、初めて使用する親御さんは、どういった方法で入れてあげるのが一番良いのだろうか、と悩むかもしれません。今回はよく質問を受ける坐薬についてお伝えします。

坐薬は体温で溶けるようになっているために、高温では溶けてしまったり、薬の成分が変質したりすることがあります。一般的には、冷蔵庫で保管しておけば心配はいりませんが、冷所保存ではなく室温保存の坐薬もあります。室温保存とは、1~30℃で保管することになります。今年の夏のように連日30℃を超える猛暑日が続くときや、また、冬でも暖房器具などで温度が高くなってしまうことがあるので、そういった環境下では冷蔵庫で保管しておいて下さい。

坐薬を横向きの寝た姿勢で入れるときは、両足を曲げた「くの字」の状態にしてください。大人の人差し指の第一関節が入るくらいまで押し込むとストンと入ります。1~2分ほどはティッシュで押さえてあげて坐薬が出てこないことを確認します。すぐに足を伸ばしたり、動いたりすると坐薬が出てきてしまうことがあるので、『薬が効くまでは少し我慢してね』と子どもさんに説明してあげましょう。赤ちゃんには、オムツを替える要領で両足をあげてから入れてあげ、指でしばらくおさえた後にゆっくりと足をおろしてあげましょう。入れにくいときには先端部を手で暖めて少しやわらくしたり、水やベビーオイルなどで濡らしたりするとよいです。

坐薬を使用するときは、なるべくウンチを出した後がよいのですが、入れると腸が刺激されてウンチが出てしまうことがあります。入れてすぐにウンチとともに坐薬が出てきたときには再度入れ直してください。入れてから5分後くらいに溶けかけで形が崩れていないときにも入れ直してあげたほうがよいです。

2種類以上の坐薬が出たときには、使う順番や時間をあけるように注意が必要な場合があります。また、坐薬を切って使うこともありますので、薬を受け取るときには薬剤師からの説明をよく聞いて、間違いのないようにお願いします。

それでは、お大事に。

 

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