輔仁薬局

健康処方箋 column

輔仁薬局健康処方せん【帯状疱疹】

【帯状疱疹】

author:けやき通り薬局 薬剤師 栗林 恭兵
published in:大分合同新聞令和4年12月掲載  No.156

帯状疱疹という病気をご存じでしょうか。思い当たる事がないのに身体の一部に痛みがあり、赤い発疹がみられる場合、ひょっとしたら帯状疱疹かもしれません。

帯状疱疹とは、水ぼうそう(水痘)と同じ「水痘・帯状疱疹ウイルス」が原因で起こる皮膚の病気です。このウイルスに初めて感染すると水ぼうそうを発症します。そして水ぼうそうが治った後もウイルスは体内に潜伏しています。多くの方が子どもの頃に水ぼうそう(水痘)にかかっているので、日本人の成人の90%以上はこのウイルスが潜伏しているといわれおり帯状疱疹を発症する可能性があります。通常は免疫の働きによって、ウイルスは抑え込まれていますが、加齢や疲れ、病気など免疫機能の低下等でウイルスが再活性化し帯状疱疹を発症します。症状の多くは、はじめに皮膚にピリピリ、チクチク、ズキズキといった神経痛が起こります。痛みは、皮膚の違和感やかゆみ、しびれとして感じる程度から、針で刺されたような痛みや、焼けるような痛みまで様々です。その後、水ぶくれを伴う赤い発疹が帯状に現れ、徐々に痛みが強くなり、眠れないほど痛むこともあります。症状の多くは体の上半身にみられ、顔や首に現れることもあります。

帯状疱疹の治療は、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬と、痛みを抑える鎮痛薬が使われます。また皮膚の症状によっては塗り薬が使われます。抗ウイルス薬はできるだけ早期に開始することが大切なので、症状があれば早めに医療機関を受診しましょう。早期に治療することで、皮膚の症状が治まった後も長く痛みが続く帯状疱疹後神経痛などの後遺症が起こりにくくなるといわれています。帯状疱疹後神経痛に対してはお薬による治療がメインとなりますが、神経ブロック注射やレーザー治療が行われることもあります。

帯状疱疹発症の予防としては、できるだけ健康的な生活習慣を保ち免疫力が低下しないようにすることが大切です。食事のバランスに気を付け、適度な運動と十分な睡眠を心がけましょう。また発症率が高くなる50歳以上の方は、ワクチンを接種することで発症予防、重症化予防が期待できますのでかかりつけ医に相談しましょう。

それではお大事に。

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