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ブリ(鰤)の栄養

author:輔仁グループ本部 管理栄養士 斎藤 美絵
published in:大分合同新聞令和5年12月掲載  No.162

冬になると脂がのっておいしくなるブリ。今回は「ブリ」についてご紹介します。大分県ではブリの養殖が盛んで、生産量は全国2位となっており(2019年)、中にはエサや生育環境などを工夫することで品質を高めた独自のブリを育て、ブランド化されているものもあります。11月~3月頃にかけて出荷され(年によって若干前後することがあります)、私たちの食卓へやってきます。

「ブリ」は成長するにつれ名前が変わる“出世魚”で、地方により呼び方が異なります。九州では、ワカナゴ→ヤズ→ハマチ→メジロ→ブリと呼ぶことが多いようです。そんなブリに含まれる栄養素で代表的なものに、EPAやDHAがあります。EPAには血栓の生成を抑える作用や、中性脂肪の低下、高血圧の予防などが期待できます。加熱に弱いため、生で食べるお刺身やカルパッチョなどの食べ方がおすすめです。

そしてDHAには、脳の発達、神経組織の機能調節、目の網膜機能の柔軟性を保つ、中性脂肪・コレステロールの低下などが期待できます。このEPAやDHAは体内ではほとんど作られない為、食事から摂取する必要のある必須脂肪酸です。

また、魚介類に多いタウリンも含まれています。タウリンには、胆汁の生成や神経系の伝達、肝臓での解毒作用などの役割があります。そして、カルシウムの吸収を促進し、丈夫な骨づくりには欠かせない栄養素でもあるビタミンDも含まれています。

冬のブリは脂が乗っていて栄養価も高くおいしいですが、カロリーも高いので食べすぎには注意しましょう。
一つの食品に偏ることなく、様々な種類の食品を取り入れ、旬の食材をおいしくいただきましょう。規則正しい生活、バランスの良い食事、適度な運動と、十分な休養・睡眠が基本です。

それではお大事に。

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