輔仁薬局

健康処方箋 column

輔仁薬局健康処方せん【お薬手帳】

【お薬手帳】

author:輔仁薬局日赤前店 薬剤師 甲斐 雄貴
published in:大分合同新聞令和6年2月掲載  No.163

「お薬手帳はお持ちですか?」薬局でお薬をもらう時に必ず尋ねられると思います。手帳をしっかり出してくれる方、必要ないという方、お薬手帳の存在を知らない方等様々です。今回はこのお薬手帳の意義についてお話します。

お薬手帳とは、皆さんが使用している薬の名前や使い方等に関する情報を、過去のアレルギーや副作用の経験の有無と併せて、経時的に記録する手帳のことです。これにより、お薬の重複や飲み合わせの確認等が可能になり、安心してお薬を使用することが出来ます。

皆さんは「今飲んでいる薬は何ですか?」と聞かれた際、医薬品名を正確に伝える事はできるでしょうか。「白くて細長いやつ」、「丸いテカテカした錠剤」のような回答になってはいないでしょうか。

現在日本では多くの医薬品を使用していて、飲み薬だけでも1万種類以上(成分として1500種類以上)あります。名前が似たものもありますし、同じ成分でも効き方が異なるものや含有量が異なるものがあります。色や形だけでは、薬の判別がつかないのです。

今年の1月1日に、令和6年能登半島地震が発生しました。避難所に派遣された医師が、初めて診る患者さんの治療を一から組み立てていくのは、とても困難です。この時にお薬手帳があれば、治療を継続するための手助けになります。また薬局において、処方箋無しでお薬をお渡しできる場合もあります。

このようにお薬手帳を携帯することは、もしもの場合の備えになるのです。現在はスマホを使った電子お薬手帳もありますし、紙のお薬手帳の写真を撮って保存しておく方法もあります。お薬手帳は医師や薬剤師の為にあるものではなく、自分自身の為にあるものという認識を持ちましょう。また現在お薬手帳を持っていない方も、作ってみてはいかがでしょうか。それではお大事に。

一覧に戻る