暑さが本格化するこれからの季節、注意したいのが熱中症です。熱中症予防には、こまめな水分補給やエアコンの適正な使用よく知られていますが、実は見落とされがちなのが「薬」との関係です。特に高齢者では薬の影響を受けやすく、注意が必要です。
薬の中には、脱水を起こしやすくしたり、体温調節に影響を与えたりするものがあります。
まず代表的なのが利尿剤です。心臓病や高血圧などの治療で使われることが多く、余分な水分を排出する働きがあります。夏場は汗でも水分が失われるため、利尿剤の作用と重なることで脱水が進みやすくなります。
また、糖尿病の治療薬の一部には、尿に糖を出すことで血糖値を下げるタイプのものがあります。糖と一緒に水分も排出されるため、夏場は特に注意が必要です。
さらに、一部の抗てんかん薬や抗精神病薬には、体温調節に関わる中枢の働きを鈍らせたり、汗を出しにくくしたりするものがあります。汗は体温を下げるために重要な役割を果たしているため、発汗が抑えられると体に熱がこもりやすくなります。特に高温環境では注意が必要です。
ただし、こうした薬を服用しているからと言って、自己判断で中止するのは危険です。大切なのは「夏場は脱水や体温調節に影響する薬がある」ということを知り、気になる場合は医師や薬剤師に相談することです。
夏場は、のどが渇く前から水分をとることを意識し、食事や睡眠をしっかり確保することが大切です。ただし、心臓や腎臓の病気、透析治療などで水分制限を受けている方は自己判断で水分摂取量を増やさず、事前に主治医へ相談しておくと安心です。
そして熱中症は屋内でも起こります。特に高齢者は暑さを感じにくいため、エアコンを我慢せず、室温管理とこまめな水分補給を心がけることが予防の第一歩です。また周囲の人同士で声を掛け合うことも熱中症予防につながります。
それではお大事に。